北の道26 ロウレンサ − ゴンタン


6月11日(土)夜明けにすっごい朝焼けになる。一日に50キロ歩いた女の子が自分ひとりで見たんじゃ勿体無いと言う感じで教えてくれた。ときどき夜明けに出発しているが、こんなに見事な朝焼けは初めて見た。すぐカメラを取りに2階のベッドに行ってから撮ったけど、残念ながらピークは過ぎてしまっていた。でもそれから十数秒で見る見る普通の青い空に戻ってしまったので見られた人はラッキーだ。


 今朝はバラバラにスタートする。でも、ずっと歩いた山の中にあった教会広場に面したバルでマルテンと3人の顔見知りが朝食を食べていたので私もコーヒータイムとする。よく顔を合わせるドイツのおばちゃんは一人で文庫本みたいのを読みながら朝食にしている。たまに巡礼者で本を読む人を見かけるが、私はその感覚が理解できない。もともとそんなに本は読む方じゃないし。


 先に飲み終わったマルテンがスタートした後に帽子があったので、隣のペリグリノに、これユーの?と聞いたら違うと言うのでやっぱりマルテンのだ。帽子を持って追いかけようとした矢先、そのマルテンが広場に戻ってきた。ちゃんと忘れ物に気がつくなんて大したもんだ。
 それからまた一緒に歩き始めるが、上り坂ではやっぱりスティックでグイグイ上る私とは差がつき、そのうち見えなくなってしまう。マルテンはスティックを使わないので遅くなるだけじゃなく、私より体力がないのかも知れない。

 ゴンタン(ゴンダンと言う地名が昨日出てきたが今日のゴンタンは別の村です)の村まではひたすら歩き続ける。多くのアルベルゲは先着順に好きなベッドが取れるので、下段ベッドが好きな私は一生懸命。努力のおかげで2時過ぎにゴンタン到着。下段は残りが4つで後は上段ベッドになる。一日に50キロ歩いた女の子が一番に到着したらしく迎えてくれ「ユーザファースト」と言ってくれる。自分の他に私が一番と言っているようだが私は2番でもないので何の意味なんだろう?早いの意味のファーストか?

 シエスタの時間が迫っているので、シャワーは後にしてまずスーパーへ直行する。アルベルゲからは大分離れているので10分以上歩いたか?2時からシエスタに入るのが多そうだが、ここんちは開いていたのでラッキー。缶ビール3、パプリカ、トマト、生ハム、ポテチ、チーズにパンと、明日は日曜日と言うこともあり大量に買い込む。それでも6.09ユーロと大した額にはならないので嬉しい。日本円なら730円ほどだよ、嘘みたい。アルベルゲに戻ってシャワー・洗濯したらマルテンが到着する。スーパーは4時半から再開だよと教えたる。マルテンはシャワーを浴びる前に昼飯を食べたいそうなので、買ってきた食糧を勧めてあげる。

 このアルベルゲのWi-Fiもスマホでしか使えないものなので、フェイスブックがもう3日更新できないでいる。Wi-Fiがあるところでは毎日でも更新しているので、心配してくれる人がいるか知れないなと思う。バルに行って一杯ビールを頼んでWi-Fiを登録させてもらうことにする。

 近くには沢山のペリグリノ達が通りのテラス席でビールを飲んで楽しそうにやっているので仲間に入れて貰う。仲間意識があるので言葉が分からなくても一緒にいるだけで楽しい。このテーブルはバルとは道を隔てて反対側に設置してあり、公道を使い放題だ。あとからバルにやってきた年配の女性が入口の縁石に座り込んでWi-Fiを利用しているようだ。とっても小柄で弱々しそうなおばあさんで、年齢は確実に70歳を超えているだろう。そばに行って、みんなペリグリノだから一緒にどうですか?と声を掛けてみる。でも、陽の光に弱いので遠慮するそうだ、でもありがとうと言ってくれた。フランス人だった。

 4時過ぎてもこのアルベルゲに寄らずに、次のアルベルゲを目指すペリグリノが何人もいるので驚きだ。その人に聞いたら、ここから500mのところに私営アルベルゲがあるなんて言ってるが本当か?ガイドブックを持たない私には一切分からない情報だ。


北の道27へつづく